文化大革命の時期の中国切手の買取価格が高い理由
近年、中国切手が人気で高値取り引きされるようになっています。なぜ中国切手が人気なのかというと、愛好家が趣味で収集しているのではなく、中国の富裕層が投機を目的として売買しているからだと言われています。
特に高値で取り引きされているのが、文化大革命の時期の中国切手です。これにはどんな理由があるのでしょうか。
いまバブルの状態にある中国切手
投機目的で売買されることによって中国切手は最近急激に人気が出ており、高値で取り引きされることが多くなっていますが、すべての中国切手の買取価格が高額というわけではありません。その点はしっかり理解しておく必要があります。
その切手自体に価値があるかどうかというよりも、需要があるかどうかが買取価格の基準となっています。投機が目的なのでそのようになってしまうわけです。いうなれば切手バブルのような状態となっているわけです。バブルということは、いつはじけてもおかしくはないわけですが、その点については中国経済とリンクしていくと考えられます。
つまり、中国経済バブルがはじけたら、中国切手バブルも引きずられ、価格が下がっていく可能性はあります。
しかし、いまのところはまだ大丈夫なようです。日本の切手とは一味違う味のある中国切手は、投機とは関係がなくコレクションをするのが楽しくなってくるものが多いです。バブルに踊らされることなく、自分の趣味で見極めていくことも大切でしょう。
なぜ文化大革命の時期の切手が高値なのか
中国で起こった文化大革命とは、1966年から1976年にかけて起こった毛沢東主導による革命運動のことを言い、1977年に終結宣言がなされました。中国において毛沢東は絶対的な存在であり、中国の社会主義のシステムに大きな影響を与えたわけですから、そのような時期に発行された切手に人気が集中しても不思議ではありません。
しかし、文化大革命の時期の切手が高値で取り引きされている理由はそれだけではありません。実は、もっと大きな理由として考えられているのは、この時期に切手の収集が禁止されていたことです。当時の中国は外貨獲得を目的に切手が発行され、中国人がコレクションのために切手を収集することは禁止されていたのです。
それに加えて海外への輸出も禁止されていました。このようなことから数が非常に少なく、その稀少性の高さから高額買取の対象となっているのです。このような理由を知ると、納得できる点も多いのではないでしょうか。
トップクラスの人気を誇る赤猿切手
文化大革命時期に発行された中国切手を、別名文革切手とも呼ばれています。その中でも人気が高いのは、赤猿切手と呼ばれる真っ赤な背景に1匹の猿が描かれているものです。赤猿切手が発行されたのは1980年で、すでに文化大革命は終わっていたのですが、この年の干支が猿だったことで可愛らしい小猿が描かれた切手が発行されたようです。
少し驚いたような表情をし、目の色もなぜか背景の色と同じ真っ赤な色をしており、とてもインパクトがあります。日本人から見ると中国らしい切手として映ることでしょう。
また、毛主席の功績をたたえ、彼の長寿を祝う11種類の切手も非常に高い価値があります。毛沢東が残した言葉が抜粋され、その時代の政治的な傾向も読み取ることができます。さらに毛主席の詩詞という切手もあります。
こちらは人民の向けたメッセージが書かれてあり、彼の思想が色濃く反映されたものとなっています。まさに文化大革命を象徴する切手と言って良いでしょう。
中国切手が急激な人気となっている背景には、中国人が投機を目的として売買しているからだと言われています。バブルのような状態となっており、その点は注意が必要ですが、特に高額買取が可能なのが赤猿切手や毛沢東をたたえた切手などです。