切手を売却したいなら、知っておきたい切手の専門用語
切手は代表的なコレクションのひとつです。多くの人が収集していることもあり、手元に切手コレクションがあるという人も少なくありません。今回、切手コレクションを行ううえでよく聞く専門用語とその意味を解説します。家にある切手コレクションを手放そうと考えている人は、専門用語を知ることで、正しい価値での売却が期待できるでしょう。
シート
切手に詳しくない人でも、耳にしたことがあるのではないでしょうか。「シート」とは、個別に切り離されていない状態の切手を指します。切手が複数個連なっており、その四角が「耳紙」といわれる白い余白で囲まれているため、未使用であることがひと目で分かる形状です。
郵便局で複数の切手を購入する際、シートで渡されるケースも。とはいえ、シートと一口でいっても、1シートで10枚のものや1シートで20枚のものなどさまざまなようです。現在販売されている切手では、縦と横が各10枚の合計100枚で1シートとされるものが多い傾向にあります。
単片・連刷
「単片」とは、シートから切り離した切手1枚のことを指します。「バラ」とも呼ばれることがあるので、併せて覚えておくとよいでしょう。
一方、「連刷」は切手に詳しくない人には聞き馴染みのない単語であり、連刷であるということに気が付かずに価値を損ねてしまいやすい切手のため注意が必要です。連刷とは、シートのなかで異なる絵柄の切手同士で1枚の絵柄になる切手を指します。原則として切り離されておらず、つながっている状態のことです。
注意すべきは、縦でひとつの連刷となる場合や横でひとつの連刷となる場合など、さまざまだということ。気が付かずに切り離してしまうと、せっかくの連刷の価値がなくなってしまい単片として扱われてしまいます。
消印
郵便局で作業された日付の押印のこと。切手の上に押され、使用済みであることの証明でもあります。
加刷
すでに出来上がっている切手に、なんらかの事情で数字や文字などを新しく印刷したものを指します。代表的な加刷は軍事切手です。普通切手に「軍事」と加刷したものを軍事切手として利用していました。
風景印
正式名称は「風景入通信日付印」といいます。消印と同じく切手の上に押印される、郵便局での作業日と使用済みである証明です。消印との違いは、その郵便局周辺の名所や風景が描かれていることです。すべての郵便局にあるわけではなく、申し出をすることで押印してもらうことができます。
透かし
偽装防止を目的として、日本では1914年から1950年まで取り入れられていた技術のことです。シート(切手紙)の一部分の厚みに変化を加えることで、模様が浮き上がっているように見えます。
初日押印・カバー
切手が発行された日に切手を使用し、郵便局で消印が押されたものを指します。つまり、切手に押された消印の日付と、切手が発行された日付が同じである状態のことです。
マキシマムカード
初日押印・カバーの状態に加え、使用されているハガキも切手と関連のあるものを使用されている場合を指します。同日に発売された、同じデザインもしくは関連するデザインをもつ切手とハガキを発売日に購入し、さらにハガキに切手を貼り付けて押印してもらったもののこと。コレクターのなかには「マキシマムカード」専門に収集する人もいるそうで、専門のコレクターをマキシマフィリーと呼びます。
目打ちズレ
製造工程での不調によって生まれたミスのある切手を指します。「エラー切手」と呼ばれることも。そもそも「目打ち」とは、切手を1枚ずつ切り離すための小さな穴の部分のこと。この目打ちがついていない場合、もしくは目打ちにズレが生じてしまい絵柄が真ん中になっていない場合の切手を「目打ちズレ」といいます。
とはいえ、目打ちを行っていない切手も存在するため、目打ちのない切手がすべて該当するとはいえません。
聞き馴染みのある用語から、初めて聞く用語まであったのではないでしょうか。とくに「シート」や「連刷」は切り離してしまえばせっかくの価値が薄れてしまいます。専門用語を知ることは、切手の正しい価値を理解し維持することにもつながることでしょう。専門用語を知っておいて損はないといえますね。ひょっとすれば、予想外に価値のある使用済み切手が眠っているかもしれません。一度確認してみてはいかがでしょうか。