中国切手は早く売ったほうがいい?最近の価格状況は?
外国切手は、異国の歴史や文化に触れることができる魅力をもっています。小さなアートでもあり、コレクターは多いものです。なかでも中国の歴史はとても長く、その時代の影響を大きく受けているとしてコレクターたちにとって人気である切手のひとつでもあります。最近の価格状況とともに、中国切手が注目される理由を解説します。
中国切手はコレクターに人気
中国切手は、中国の歴史の影響を大きく受けてきた象徴ともいえるもの。時代ごとの特徴が図案や形状で描かれており、当時の中国の方針や政策をも感じることができます。
さらに、歴史の背景によって発行枚数が極端に少ないレアな切手が非常に多いです。なぜなら、1960年から1970年の文化大革命時代において、中国の過去の歴史、外国から影響を受けた歴史を極力排除・破壊する思考が広がっていたからです。
時代ごとの象徴が描かれている中国切手も排除・破壊の対象となってしまい、多くの中国切手が消失される結果となりました。その時代背景のなか生き抜き現存している中国切手は、国内外問わず多くのコレクターの興味関心を惹き付けているといえるでしょう。
中国切手の現在の価格は下落気味
日本切手では1枚ずつ個別に分かれた「バラ切手」よりも、保管のしやすい「シート切手」のほうが高い価値がつく傾向にあります。一方、プレミアと呼ばれるものが多い中国切手は「バラ切手」でも高い価値がつくことが特徴です。とくに高価な切手だと、過去に1枚あたり4,000万円ほどの価値がついたケースもあります。
しかし、現在では1962年発行の「梅蘭芳(メイランファン)舞台芸術小型シート」というレアな切手とされるものでも、1枚に100万円のほどの価値であるといわれているようです。希少価値が高く人気であった切手の価値が、ピーク時の3分の1から半分程度にまで下がっている傾向にあります。
さらに、ピーク時からの価格の下落具合から、先行きは不透明であるともいえるでしょう。とはいえ、まだまだ高い価値であることには違いありません。一部では、中国切手における価格は右肩下がりであるため、早めに手放そうとする動きもあるようです。
中国切手が高騰した理由
中国切手は、中国切手ブームと呼ばれるほどに人気であり、価値が高騰しました。理由としては先に述べたとおり、中国切手には希少価値の高いものが多く存在することが挙げられます。しかし、それだけが理由ではありません。
中国の富裕層による投機目的の実物資産として中国切手が利用され始めたからです。投機とは、安く買って高く売ることを目的としています。近年の中国経済成長を受けてさまざまなものが値上がりした結果、希少価値のある中国切手が投機の対象と成り得たのだと考えられているようです。
もちろん、投機目的の実物資産となったものは中国切手以外にも存在します。美術品や骨董品などの希少価値のあるものも該当していたといわれており、それらの価値も高騰したとのことです。言い換えれば、現在の状況は急激に高まった中国切手の価格が落ち着いてきた、もしくは投機目的の売買によって価値が下がってきたといえるかもしれません。
中国切手は歴史的背景を受け、希少価値の高いものです。希少価値の高かったものが、中国富裕層の投機目的の対象となり更に価値を高騰させる結果を招いたといえるでしょう。とはいえ、投機による価格の高騰は一時的なものです。下落傾向にあることも頷けるといえますね。現在はピーク時よりは落ち着いたとはいえ、まだまだ高い価格帯です。もしお手持ちの中国切手を譲る予定があるのならば、売り時を見誤らないようにしましょう。