中国切手の牡丹シリーズとは?種類ごとの買取相場を知っておこう!
古い中国切手の中にはコレクターに人気で価値の高いプレミアム切手が多く存在します。今回はその中の有名なものの一つである「牡丹シリーズ」について紹介します。ものや状態によっては希少性が高く、日本国内でも高価に取引されている場合も少なくありません。買取相場もあわせて紹介するので、もし手元にあったら参考にしてみてください。
中国切手の牡丹シリーズとは?
中国切手の牡丹シリーズは、1964年に発行された中国切手です。牡丹シリーズの切手の編号は特61と特61mと呼ばれ、『特』は特殊切手のことを表しており、『m』がついているものは小型シートのことです。美しい牡丹が描かれた15種類の図柄があります。牡丹は中国では富と権威を象徴する富貴の花とされ、国花にも定められており、中国文学の影響もあって美しさの象徴ともされています。
図案は北京の画家である田世光(でんせいこう)によるもので、精密なタッチで描かれた美しい牡丹の図柄となっています。種類が非常に多く、このように微細に描かれた美しい牡丹の切手は今もなお、多くのコレクターを魅了しています。1966年から1976年にかけて起こった文化大革命で、収集目的での切手の保有が禁止されたという事情があり、多くの切手が処分されてしまったことがあり、高いプレミアが付いています。
牡丹シリーズの切手の種類ごとの買取相場
牡丹シリーズの切手の種類はバラが15種類と小型のシートの計16種類です。花の種類が切手の下の方に小さく書かれています。稀少価値でいえば、他に中国の切手で有名な「赤猿」や毛主席のシリーズには劣るものの、バラでも全種類が揃っている状態であれば、比較的高額な買取も期待できます。
バラの切手の買取相場は、額面によらず概ね300円から500円といわれていますが、「豆緑・20分」と「魏紫・43分」、「酔仙桃・52分」は、この相場からかけ離れており、それぞれ~2,000円、~5,000円、〜1万円となっています。また、小型シートの場合だと、〜20万円という相場になっています。発行枚数が極端に少なくわずか4万枚しかないため、文化大革命の影響で減っていると考えれば納得の価格ともいえます。
さらに未使用品であればおおよそ10万円前後の買取も期待でき、美品やエラーなどプレミアがつく要素があればさらに価格が上がる可能性もあります。なお、先ほど、バラでも全種類が揃っていれば高価な買取も期待できると書きましたが、15種類の完品であれば〜5万円ほどの買取価格が期待できます。
牡丹シリーズの切手は偽物が多い!
一方で、牡丹シリーズの切手は中国切手の中でも比較的人気が高いがゆえに、偽物の存在が確認されているため気を付けましょう。高額な小型シートだけでなく、バラの切手でも発見されているため、注意が必要です。
ちなみに、牡丹シリーズの偽物を見分けるポイントとしては「印刷の荒さ」「文字の字体の相違」「目打の荒さ」といったことが挙げられます。なかなか素人には見分けが付かないため、直接売買するネットオークションなどを通じて取引するのではなく、専門知識を持った査定員が査定を行っているお店で売買するのが安心ではないでしょうか。
今回は、中国の古い切手の中でもコレクターの間で有名で高価に取引されることがある「牡丹シリーズ」についてまとめました。切手そのものの美しさもさることながら、高価に取引される背景には切手が発行された当時の社会情勢なども絡んでいることなどがあり、そういったことが価格を付ける理由になることもあります。もしも手元にあったら、すぐに捨ててしまわず査定を受けてみることもよいかもしれません。