中国切手が日本で人気の理由と買取額への影響について
かつて切手収集に熱中した世代にとって、最近の切手ブームに戸惑うケースも少なくないと言えます。日本では、時代を問わず人気や価値の高い切手は数多くあります。それでも中国切手に関しては、それほど熱心に顧みられていませんでした。
それが今では切手そのものに興味がない人でも、その切手の存在を知るようになっています。
投機を目的とした中国切手の売買
そもそも中国の切手は、切手コレクターの間では人気のあるものでした。その人気が近年になって急激に伸びたのは、投機目的の購入が増えたからです。日本の多くのコレクターは収集を目的としますが、中国では株や金のように投機が目的となっているわけです。
こうした経緯によって、切手自体の希少性が高まる理由になっています。投機に関してはモノ自体に価値を認めるのではなく、それを欲しがる人間がどれくらい存在するかが重要です。中国切手の人気が高止まりしているのは、中国経済が好調であることの裏返しでもあります。
ただし日本と同様に、中国経済も急成長が止まる時期が来ます。その中でも価値が認められるのは、希少性の高い切手だけと言えます。中国切手は人気ですが、全ての切手が高値となることはありません。
「中国の切手」と一括りになっても、高額取引されるものは限られています。高値がつく切手の特徴としては、特定の時期に発行された切手であるのが一般的です。
文化大革命時代の切手が高額取引される
歴史的にみると、文化大革命の時期に発行された切手が高額取引されています。
この時期には歴史的価値が否定されており、切手収集そのものも禁じられていました。切手発行には政府による外貨獲得という目的もあり、一般人が切手を収集できなかったわけです。同時に海外輸出も禁じられていたので、中国切手の希少性が一層高まります。
因みに文化大革命当時の切手は「文革切手」と呼ばれマニアの間では垂涎の的となっています。中国切手の中でも特に人気なのが「赤猿切手」と呼ばれるものです。この切手が出されたのは1980年で、その年の干支が猿だったことで描かれています。
当初の枚数が極端に少ないので、希少価値が一気に高まったわけです。文革切手と並んで人気なのが、毛沢東の長寿を祝った切手です。毛沢東は中国の初代の主席で、文革自体には彼の業績を称える切手が数多く発行されています。
その中でも長寿を祝う切手は、全部で11種類が発行されています。その中には毛主席が残した言葉などが記されており、歴史的資料としての価値も認められます。
中国切手の価値は状態にも左右される
毛主席の切手の中には肖像画やメッセージがデザインされたタイプがあります。切手を通して彼のメッセージが、人民に届けられたと言えます。そこには彼の思想や信念が色濃く反映されており、当時の切実な状況が読み取れます。
毛主席なき現在においても彼の思想は人民の中に息づくものがあります。昭和30年代発行の切手としては、梅蘭芳舞台芸術切手が有名です。これは当時の中国で人気を博した京劇俳優、梅蘭芳がモチーフになった切手です。
当時の中国は社会不安が渦巻いていましたが、その中で梅蘭芳は人民の希望的存在となっていたわけです。中国切手の価値を判断するには、切手そのものの状態を見る必要があります。それは中国切手に限らず他の切手にも当てはまることです。
切手の状態を見るポイントは、汚れのない綺麗な状態や、未使用かどうか等となっています。切手の価値は状態に左右されるので、希少性が高くても状態が悪ければ価値が低下するわけです。
中国切手を入手したのに価値が分からなくて困ったら、専門の買取業者に鑑定を依頼するのが良い方法です。専門の買取業者であれば、中国切手に関して豊富な知識を持っているからです。
その価値を適切に見極められるので、思わぬ発見をすることもあります。中国切手の価値を見極めるのは、相当に難しいものがあります。それゆえ鑑定を依頼するなら、信頼性の高い買取業者を選ぶことが大事です。