超高価買取が期待できる可能性あり!大正婚儀記念切手の買取相場とは
郵便や郵便局を対象とした趣味を郵便趣味、略して郵趣(ゆうしゅ)と呼びます。そんな郵趣の代表的なものが切手収集。インターネットの普及により郵便物は年々減少してはいますが、古い切手の中には高額で買い取られるものもあります。今回はその中のひとつ、大正婚儀記念切手についてご紹介します。
大正婚儀記念切手とは
大正婚儀記念切手とは、1900年(明治33年)に発行された切手で、のちの大正天皇(当時は皇太子)と貞明皇后(当時は九条節子姫)とが婚礼を行ったことを記念して発行されたものです。婚儀が行われた1900年5月10日に発行されており、1900年代に入ってから初めて発行された記念切手でもあります。
ちなみに現在、神前式と呼ばれる神社で行われる結婚式は、この大正婚儀に大きな影響を受け一般に広がったと言われています。図柄としては、婚礼記念のため中央には結婚式の引き出物であった「三日夜餅」、上部に皇室を表す代表的な十六葉の菊紋があしらわれ、囲むように「大日本帝国郵便、東宮御婚儀祝典」と旧字体で書かれています。下部のつばめのつがいは、初夏の風物詩であり生涯つがいで過ごすつばめになぞらえて、夫婦円満の祈りが込められています。通常、こうした天皇陛下の慶事を記念した切手は天皇陛下記念切手と呼ばれ、複数の額面で発行されます。
例えば日本で最初に発行された「明治天皇銀婚記念切手」は2銭と5銭の2種類、上皇である明仁親王と美智子さまのご成婚の際の「天皇御成婚切手」は5円、10円、20円、30円の4種類、現在の天皇である徳仁親王と雅子さまの御成婚の際の「皇太子殿下御成婚記念切手」は62円、70円の2種類発行されています。
しかし大正婚儀記念切手の額面は3銭の1種類のみしか発行されていません。120年以上前の発行であり、美しい状態で残っているものが少ないレアな切手です。また、当時の日本は近隣の中国と韓国の一部にも領土があり、在外国局という名の郵便局を設置していました。
しかし日本国内と同じ切手を使用すると国内と国外で郵便料金に差が出てしまうようになったのです。そのため、その土地で発行された切手は、「朝鮮」や「支那」といった地名が追加で刷られるようになりました。こうした切手は「在外国局切手」と呼ばれ、中国では1922年に在中国局が廃止されるまで存在していました。
大正婚儀記念切手の買取相場
ではこの大正婚儀記念切手を見つけて買取を依頼する場合、どのくらいの相場なのでしょうか。それは切手の状態によっても大きく異なります。
使用済みか未使用か
もちろん未使用のものに比べると、使用済みのものは価格が下がってしまいます。買取を依頼する店舗にもよりますが、使用済みのものは1枚80円から数百円程度、未使用であれば1枚で2,000円~3,000円が多く、状態により1万円程度となります。
1枚のみか複数つながっているシートか
もし切手を見つけた時に2枚以上がつながっていれば、切り離してはいけません。1枚のみよりもつながっているシート状態の方が高い価格がつく傾向にあります。つながっている枚数にもよりますが、過去には田の字型に4枚つながっているものが5万円近くで取引されたことがあります。50枚シートであれば30万円以上の価値がつく可能性もあります。
在外国局の切手かどうか
日本国内で発行されたものよりも、国外で発行されたものの方が高価で買取されます。中でも中国の在外国局が1922年まで使われていたのに比べ、朝鮮では1901年までの15カ月しか使用されていなかったため、「朝鮮」と印刷されたもののほうが高価買取となります。「支那」と印刷されたものが使用済みのもので数百円~5,000円程度、未使用のものが8,000円程度。「朝鮮」と印刷されたものが使用済みで8,000円、未使用で2万3,000円程度となります。
大正婚儀記念切手をより高く買い取ってもらう秘訣
大正婚儀記念切手をより高く買い取ってもらうためには、その価値が分かる経験豊富な専門家に査定、鑑定してもらいましょう。また一社だけではなく複数の買取業者に見積もりを出し、結果を比べることも大切です。貴重な切手ですので、誠実に価値に見合う価格で買い取ってくれる業者を選びましょう。
また国外で印刷されたものでなくとも、買取価格が高くなるものがあります。それは発行年が古いもの、製造された期間が短く発行数の少ないもの、額面が高く珍しいものなど希少価値が高いものでは、1枚で60万円を超えるものもあるのです。
まとめ
この記事では、高価で買取される可能性のある大正婚儀記念切手についてと、その買取相場についてご紹介しました。大正婚儀記念切手は、国内で発行されたものよりも国外で発行されたものの方が買取相場が高く、1枚2万円以上で取引されています。また国内で発行された切手でも価値が高く、高価で買取される場合もあります。ですからもし古い切手を見つけたら、業者に相談してみましょう。思わぬ高値となるかも知れません。